―――――滅茶苦茶だった。





深く息を吐いて、組み敷いた肢体を見遣るといつからか気を失っていた。
(―――――最悪だ)
うちはサスケは嘆息した。
最低だ、とも。
膣奥まで埋め込んだ自身をそっと引き抜くと、栓を失って散々に詰られ熟れた花弁からドロリと粘着質の白濁が溢れ出て白い内股と寝具を新たに濡らす。
その様を目の当たりにして、溢れた分だけ押し込んでやりたいと下身が再び熱く勃ち始めた自分は狂っているのだろうと、サスケは息を吐いて自身の下腹部を収めた。
その合間も再び溢れ出た白濁の排泄感に細い肩が強張って、掠れた呻き声が上がった。
ギクリ、とサスケの肩が震える。
うすく開かれた翡翠の瞳は疲弊しきって、虚ろに空を見上げていた。
蛮行を思い返して、横たわる肢体から視線を外す。
「・・・水、持ってくる」
声が届いているか定かではなかったが、サスケは手早く衣服を身に着け、逃げる様に部屋を出た。











拒絶しないことを理由に、サクラに手を伸ばしたのはサクラが里からの伝達役としてサスケの元に訪れることになった最初の日だ。
絶望に絶望を重ね、木の葉を襲撃した後にナルトと共にサスケが木の葉へ戻ることになったのは一月前のこと。
里に戻り、里の被害を目の当たりにして後悔するほど絶望は深くなった。
絶望するほど後悔は色濃くサスケを苛んだ。
そのアンミリテッドに、療養を兼ねたうちは邸での自宅謹慎はサスケを更に追い込んだ。
火影の伝令としてうちは邸に入ってきたサクラはなんの警戒心もなくサスケに向き合ってきた。里の長の側近とあろうものが無防備に、はにかむように笑顔を向けてくるサクラは、幼少の頃のそれとは異なって、十分に魅惑的だった。
僅かに纏った、サクラの女の匂いがサスケの鼻腔を捕えて止まなく、あらゆる由縁や想いを断ち切り、復讐以外の執着を戒めて三年――――すでに過去のことであり自身に関係のないものと自負していたにもかかわらず、薄紅色の髪も翡翠の瞳も、サスケの名を呼ぶ声すら、いつまでもサスケに纏わりついた。
白い肌も細すぎる肢体も、魅了するには程遠い―――そう思っていたというのに思わず手を伸ばしていた。
気付けば重ねていた唇に、愕然としていたのはサスケだ。
こんなにも飢えていたのかと。
柔らかな感触が外れ、次いで淡く吐息が唇に触れる。
息を呑んだのを、サスケは翡翠の瞳に映った自身で知った。



「どうして・・・?」



沈黙を破ったのはサクラだった。しかし、それはサスケにとって理解しがたい問いかけで―――その問いがサスケにとって疑問だった。
口付けに理由があるのかと。
好意以外からの接触でも、受け入れられるのかと。
短く切り揃えた髪にも関わらず、サスケの接触に嫌悪すら見せなかった。
「―――――欲情したって言えばいいか?」
そんな莫迦な話あるものか。
サスケはサクラに問う。
問答に意味はあるのかと、自嘲に口端が歪む。
阿呆らしさに笑いさえ込み上げた。
「・・・いいよ」
薄紅の唇が柔らかく言葉をつむぐ。
それは酷く残忍で、サスケの燻る想いを急速に冷却させた。
そして瞼の裏をチカチカと往来するフラッシュバック。
渦巻いてくるのは、絶望。
それを断ち切ったのは、劣情。
「―――ッア・・・!」
深紅の忍装束を引き裂いたのはサスケの右手だった。
白い乳房がまろび出て淡い頂がサスケを誘う。迷うことなくそれを口腔に含み、執拗に舐めしゃぶる。
口腔で固く育つそれに焦がれ、もう片方の乳房にも手のひらを這わせて未だ身に着ける衣服を剥ぎ取るのを止めなかった。
そしてサクラもサスケを止めることはなく、サスケの行為を助長させた。
優しくない手管で身体を開き、寝具に血痕を付着させることでサクラが処女だったことを知りたかったからだ。―――――もしくは、処女であるように思いたかったからか。
サスケが里を出た三年の間、サクラの軌跡を知らないことがもどかしかった。
だからこそサクラのすべて奪い、暴いた。
しかしいくら奪っても抉っても渇望がサスケを苛むばかりで、奥を目指してサクラを識るほどに貶めたくなり―――――その繰り返しだ。
右手がひどく冷えていることに気付いて、意識を浮上させる。
コップを握った右手が流水に晒され感覚が鈍い。
ザァザァ・・・とシンクの中をコップから溢れた水が流れていく。
流水音はひどく耳障りで、それだというのに今まで気付かなかったほど意識を沈めていたことに舌打ちを噛み殺した。
コップを握った右手が流水で冷えていくというのに―――――何故。
サスケは空いている左手の甲で、自身の口元をきつく拭う。
一度きり触れた、あの感触を拭い去る様に、乱暴に。
そしてその左手でカランを一息に閉めた。





ドアノブに手を触れて、室内から“呼応を感じ取れない”ことにどこか安心感すら覚えた。
サスケは何でもない素振りで扉を開き、ベッドサイドに腰を下ろす。
サスケの体重分、寝台が柔らかく沈んだ。
ベッドの上にいたはずの白い肢体は、すでに―――――乱暴に剥ぎ取った彼女の衣服も、ばら撒いた忍具も何事もなかったように回収され、乱れたシーツさえなければ、情事があったとは思えないほど―――――泡のように消えていた。
二人分の体液を十分なほどに吸ったシーツを引き上げ、サスケは凌辱の痕を改めて知る。
サクラの肌から僅かに放たれたナルトのにおいを思い出して、胸を這い上がるような裂痛がサスケを苛む。
それを消すため蛮行の数々を重ねたにも拘らず、サクラは理由も問わず、明らかな拒絶の声も上げなかった。
最初に抱いた時の問答を思い返して、サスケに絶望を突きつけるだけで。
その、繰り返し。





「・・・サクラ」








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