「結婚の祝い」
はい、と笑顔のイノに渡されたのは大きさの割りに重量のない紙包みだった。
火影や本部からの伝令がまるでついでのように、真っ先に登場したピンクの包装紙にサクラは気後れする。
ここのところ火影からの遣いとして、山中イノがうちは邸を訪れることが多くなっていた。
うちはの敷地から出られないサクラを気遣ってのことだろう。
いつもどおりリビングに通して、お茶の準備をする。
準備ができたところで、イノが期待を露わに身を乗り出した。
「―――――で?」
「なによ、“で?”って・・・?」
「こないだ来た時と全然部屋の雰囲気とか変わってないから。せめてエッチな下着とかエプロンとか調達したかなって」
瞬時に頬をのぼせさせたサクラの反応に、イノはまあいいわ、と頷いた。
「・・・サスケくん、絶対そういうの興味ないよ」
「サスケくん、じゃなくて男はみんな興味あるもんよ」
サクラの反論も虚しく、すぐさまイノに打ち返される。
ふふんと口角を上げて見せたイノに、サクラは戦歴のない自分に勝ち目がないことを再認識する。
勝ち目のない話題から逃れようと、イノからのプレゼントに手を伸ばす。
イノにしてはメルヘンな絵柄のパッケージに首を傾げた。
包みを開くと、淡いピンクのレースにサクラはさすがに眉を顰める。
「・・・何? これ?」
「試着してみる? 着方が分からなかったら意味ないもんね」
試着? と怪訝に眉を寄せるサクラににっこりをイノが頬杖を着いて微笑む。そしてゆっくりとした動作で、頬杖を解いて合掌する。
(心転身の術―――――!)
サクラが認識すると同時に、意識はイノによって乗っ取られた。





サスケが帰宅すると同時に、リビングの方からサクラの悲鳴が聞こえてきた。
何事かと装備もそのままにリビングに向かうと、リビングの扉前で笑顔の山中イノが出迎えた。パタンと後手に扉を閉められた。
そのむこうにサクラがいることは間違いないようだ。
「サスケくん、おかえりなさーい」
「・・・サクラは」
「無事よ」
さらりと何事もなく首を傾げたイノの手に持つのがサクラの衣服であることを、サスケは見逃さなかった。
「おい、それ・・・」
サスケの呼び止めに怯むことなく、イノはサクラの衣服を渡しながらも会心の笑みを繰り出した。
「遅ればせながら、ご結婚おめでとうございます」





「・・・サクラ?」
サスケが無遠慮にリビングに踏み込み、サクラは身を起こしたままの状態で硬直した。
それは―――ほぼ裸体とも言える―――ベビードール姿で。
イノの心転身の術をとっさに破ったのだが、すでに遅く。衣服は脱がされ、ラッピングを開けたばかりのレースを身に纏うだけの姿に変えられていた。
サクラのささやかな乳房ですら隠し切れない、透けた小さな布地。
胸元の布地も裾のレース部分も短すぎ時折淡い乳首が露わになって、むしろサクラの恥辱心を煽る一方だ。
同様の透けた布地のパンティだって、一切秘所を隠すものではない。
ソファの上で身を縮めて、サスケを直視することができない。
この状況からどう脱するかがサクラにとっての最優先事項だった。
俯いたサクラに影が落ち、サスケの小さい嘆息が聞こえた。
サクラが見上げると、裸の肩に先ほどイノに脱がされた―――イノがサクラとしての意識の時に自主的に脱いだ―――上着をサスケが掛けてくれた。
「・・・サスケくん、違うの、これ、イノがふざけて・・・っ」
はっとして状況報告をすべく見上げると、いつも通り無表情のサスケだった。やっぱり貧相な身体に何を纏っても無理なのかと思わず涙が滲む。
サクラががっくりと俯いたと同時に、固唾を飲んだ音が聞こえたのは気のせいだろうか。
そのまま肩を押され、ソファに押し倒される。
思わず悲鳴を上げたが、ソファの弾力と、先ほどサスケが掛けてくれた衣服がクッション代わりとなって衝撃は皆無に近かった。
それでも突然のことに思わず身を起こそうとするサクラの脚の間にサスケが入り込み、覆い被されられてはもう駄目だ。
「これは脱がすものなのか? ―――――防寒や保護としての機能を果たしてないな」
びらりと胸元のレースを捲られ、左の乳房が露わにされる。
サスケの暴挙に胸元を抑えて、覆い被さるサスケの胸元を押して僅かに距離を置くが、悪あがきでしかないのは目に見えている。
「サスケくん、わたし、着替えてくるから・・・」
どいて、と続けようとした言葉は、淡いレースを纏った股間を膝頭で圧迫されて、喘ぎに変わった。
「このままで構わねえだろ」
レースの上から乳首を弄られ、硬度を増す尖りにいよいよ居た堪れなくなる。
サスケの膝頭に圧迫されている花弁も熱さが増して、花芯がうずく。
「だって、恥ずかしい・・・っ」



「恥ずかしいからいいんだろうが」



クク、と喉奥で笑ったサスケの投下に、それはおかしいと反論しようとしたサクラの理性は果たして。








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