「だめ」






サクラの両手のひらがサスケの口元を覆った。
手のひらに感じる柔らかな熱に怯えて、サクラはサスケから手を引くと、そのまま両手の
ひらで己の口元を覆い隠した。
何だというのだ。
彼女に触れようとしていた右手は、行き場を無くして可哀想だ。
眉を顰めたサスケに、だってとサクラは目を泳がせる。
「だって、ナルトと、したこと、ある、じゃない」
途切れ途切れに、言葉を選びながらサクラが告げる。
何が、と眉間を寄せると、彼女は桃色の唇を尖らせた。
まるで口付けを乞うようでいけない。


「キス」


「は」


キス、ともう一度言った。
忘れ去っていた過去を思い返して、思わずサスケの頬が引き攣る。
どっちみち今の手のひらの接触で間接的に口付けたことになるではないか、とサスケは
忌々しげに眉間に皺を寄せて、ぐいと乱暴に己の唇を手の甲で拭った。








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