(・・・いたい)
唇を合わせるだけでなく、角度を変えて食まれ幾度も吸い上げられる。
呼吸の合間に見せた僅かな唇の隙間から唾液を絡ませられて、そして。
(くちびる)











待機室に無造作に置かれていた長椅子の上に押し倒される。
安物の合皮物だ。春先とはいえ―――全裸のソファに素肌の背を付けて、体感する冷たさに背筋が震えた。サスケはサクラに覆い被さり、容赦なく裸の脚の間に身体を捻じ込んでくる。
思わずずり上がりそうになるサクラを押し留めるようにサクラの顔横にサスケが手を着いて、もうこれで逃げることはできない。
しなやかな腕は―――――檻で、戒めだ。
覆い被さるサスケを見上げると、月光の逆光でその表情を見ることはできない。
それでも、サスケの口角が上がっているのがわかった。
ク、と喉奥で笑う。
「なに・・・ぁ・・・っ」
「・・・勃ってるな」
サクラが問うよりも先にサスケの指先がサクラの乳房の頂点を摘み上げたと思えば、突起を押し潰すように弄くる。快楽からは程遠く、痛みのほうが強い。
「冷たかったからで・・・ァアっ」
グリ、と乳首をきつく捩られ痛みに背を弾けさせる。それと同時に今まで弄られていた乳首は解放され、逆に乳房の上で徐々に充血して腫れていくのが分かる。
きっと酷いことをされるのだと、認識した。



『ちゃっちゃと終わらせてやるよ―――――』



先ほどのサスケの言葉に偽りはないのだろう。
それだというのに、なぜ。
痺れる唇を手の甲で拭って、柔らかさや熱をやり過ごそうとしたのも束の間、ぴちゃりと左の乳首が濡らされた。
そのまま突起を温かなもので包まれたかと思えば、粘着性のある柔らかなものが絡みついてきつく吸い上げられる。
「や、あっ、アァ・・・っ」
急所を執拗に繰り返す悪戯が愛撫とは思えない。“左”だけに集中して、乳房も痛みが残るほどに握られる。
その所作はあまりにも強引で荒々しく快楽を引き出すためとは思えず、サスケの苛立ちの現れだ。
悪戯を繰り返されぷっくりと熟れ切った乳首はサスケの唾液に濡れて、薄暗い室内でも分かるほどにてらてらと更なる悦楽を待ち望んでいる。
唾液を絡めながらサスケの指が乳首を摘んで、絶え間なく弄くりつづけた。
内側からチクチクと乳房を刺激してサクラを苛むが、“それ”が“何”なのかサクラに分かる由もない。
身を捩って内なる熱を逃そうにも、サスケの腕が身体に絡みついてささやかな自由すらも奪われた。
サスケの唇が乳房のまろみから下降してサクラの肌を滑る。
時折噛み付かれて、痛みなのか、熱なのかがわからない。
ひたり、と。
体温の低い指先がサクラの裸の皮膚を准えて行く。
なだらかな曲線や、所々に残る皮膚の引き攣れですら、一つ一つ。
指の腹で辿り、時折骨ばった関節を使って巧みに抉る。
素肌に触れられることなど―――愛撫など程遠い日々を過ごしていた。
だから、サスケの意図の読み取れない指の動きは奇妙であり、悦楽の知識があるがこそその所作はサクラに恐怖を植え付けた。
まろい乳房を執拗になぞらえていた手のひらが下降し、肉付きの薄いぺたんこの腹部へ到達する。
骨ばった指先は腹部に残るケロイドをなぞり―――暁のサソリとの闘いでの痕だ―――濡れた舌先が捉えて、幾度も口付けられる。
当初は応急処置だけを施し、すぐさま我愛羅の元へと向かったために、解毒と傷の癒着のみの簡素な処置で終わらせてしまったために、酷く醜いケロイドとなって残っている。
薄暗い室内だとしても、仮にも忍であり―――指で辿られてきっとその醜さは知られてしまっただろう。
「い・・・た・・・っ」
傷跡のあるだろう個所をきつく吸い上げられ、サスケの苛立ちを改めて知る。サスケは口付けた箇所を指でなぞり、唇は更に下降していく。
淡々としたサスケの所作に、安堵と共に申し訳なさが込み上げた。
ただでさえ凹凸のない魅惑のない身体で、肌すら引き攣ればかりのつまらない身体を差し出して。
ごめんなさい。
申し訳無い気持ちと自分を卑下する気持ちに押し潰されそうになる。
だから下肢を割り開かれ内腿に硬質な髪が撫でて、股間の柔毛をさわりとなぞられた時に初めて生々しくも危機を感じた。
サスケの唇は迷うことなく花弁を捕え、ささやかに愛蜜を滲ませるだけの若蕾の花芯を容赦なく扱き舐めしゃぶる。
「いや、いや、アアァ―――・・・ッ」
背を痛々しく仰け反らせて痛みすら伴うほどの悦楽に戸惑い、思わずサクラの唇から拒絶の悲鳴が上がる。
サスケがサクラから身を起こして、嘲笑う。
「お前、向いてないよ、くの一」
告げられ、涙が溢れる。
―――――言われなくても知っている。
アカデミーを卒業してからといって、忍になる必要はない。
それでも忍になりたかったのは、少しでもサスケに近づきたかったからで―――サスケに認めてもらいたかったからで。
そのサスケに、認められることなく“今”に到る。
自分の至らなさに悔しくて涙腺が緩む。表面張力一杯の涙を溜めて、堪える。
視界にサスケの手のひらが映り、手を挙げられるのかと条件反射で眼を瞑ると、弾みで涙が零れ落ちた。頬を温かな感触が捕え、零れた涙を拭う。
サスケの手だ。
その手のひらに縋りついてしまいそうになるのを、振り払う。
パシンと乾いた音が響いた。
「見返りは、期待してないし、優しくしてくれなくっていい」
サクラを見下ろすサスケの漆黒の瞳に感情はない。
移ろうことのない闇色に、サクラの翡翠が映る。
「サスケくんの気持ちは、いらないから」
だから、と喘ぐように言葉を綴る。
「酷くして・・・っ」





「――――――・・・ッ、は、くぅ・・・」
何も受け入れたこともなく、慣らすこともなく、サクラの花筒をサスケの肉棒が犯して行く。
他者を受け入れる恐怖と、未開拓の花筒を傷つけていく痛みに思わず息を止めてしまうサクラの唇に幾度もサスケの唇が重ねられる。
顔を背けて拒絶を露わにするも、汗ばんだ額を大きな手のひらに撫でられ固定され、叛くことなどできなくなってしまった。
柔らかな口付けを幾度も繰り返され、サスケを食んだ下肢からも強張りが解けかけたところで、更に奥を目指して肉棒が捻じ込められて蝕む痛みに喉を反らせた。
「ア、ぁ・・・っ」
嗚咽なのか、痛みを堪えるためなのか震えるような呼吸を繰り返し、唇は乾ききっていた。
胎内に留まるサスケはじっとしてサクラを見下ろしている。
全裸で身体を開いたサクラとは反して、サスケは部屋へ入ってきたときと変わらず―――わずかに“前”をくつろげただけで乱れなどどこにもなかった。
月光だけが頼りの室内だとしても、サクラは脚を大きく割り開き、満足な愛撫もなくサスケを咥え込んだ花弁の周りをだらしなく花蜜で汚している醜態を長く想いを寄せていた人に曝け出している現実に、サスケを受け入れたまま花筒が痺れて新たな花蜜が零れる。
不意にサスケの指先が自身を咥え込んだ花弁の上にあえかに息づく花芯を捕え、ぐりぐりと執拗に弄り強制的に悦楽を送り込み、突如の暴挙にサクラは痛々しいほどにまで背を仰け反らせて淫らな声を上げさせられた。
ゴプリと、花筒から新たな愛蜜が零れ出たのを見計らって、サスケの腰が動く。
「・・・い、ァ・・・っ」
引き攣れる痛みに思わず声が上がるが、その合間もサスケの唇がサクラの皮膚に触れる。
水音を聞きながら、浮かされる熱に目を閉じそうになるが、意地悪するように乳首をきつく吸い上げられ背を弾けさせた。
「こういうことを、するんだろ? 他の、ヤツと」
ピストン運動を緩めることなく、サスケが問う。
ハッ、と嘲笑ったような気すらした。
そうなるように、サクラがしたのだ。
「・・・そうだよ・・・!」
裸で抱き合って、弱いところもすべて曝して。
醜くも快楽に溺れて、相手を悦楽に酔わせて術に嵌める。
―――――快楽には程遠いこの行為を。
自分の胎内に他者を迎え入れて、粘膜を絡ませ合って、受け入れる。
悦楽を得ることで滲み出る愛蜜を擦り合わせて、更なる快楽を求めるなど。
―――――できない。
長く片恋を続けてきたサスケ相手にまるで愛してもらうような抱き方をされて、痛みを植え付けられるような所作をされても快楽に切り替わり、決してこの行為に慣れるなんてことできない。
明らかにサクラの失策だ。
「アッ、アッ・・・、ああぁ・・・んっ」
激しく身体を揺さぶられて、下肢から這い上がってくる悦楽に脳髄が焼かれる。
唇からは律動に合わせて奔放に悩ましい喘ぎが漏れ出た。
花筒を埋め尽くしていた“サスケ”の質量が増して、“与えられる予感”に期待し震える心を窘める。最後を求めてサスケを食んだ花襞が淫らに蠢動して、熱を篭らせた指先がちりちりと疼く。
低くサスケが唸り、それと同時に膨らんだ穂先が子宮口を叩いて熱い白濁を震える花弁にぶちまけた。
膣内から押し寄せる熱に耐え切れずに、とうとうサクラの意識は途切れた。








「―――――サクラ・・・?」
荒い呼吸が落ち着いた頃合を見計らって、サスケがサクラから身を起こす。
サクラの面は血の気を失い、月光も手伝って青白く見せる。
そっと結合部を外すと、どろりとした欲望の青臭さの他に血液の鉄の臭いが嗅覚を覆った。
交じり合った欲望に濡れた花弁を親指で拭って、舐め取る。
サクラの純潔を奪った優越に、無意識なりとも更なる渇望にサスケの喉が鳴った。
身を屈めて薄く呼吸を繰り返す唇に己のそれを重ねる。
心が躍ったのは―――――。





To be continue ”100713”





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