「不貞ぇヤローだな!」
突然のナルトの発言に、サスケの眉が寄る。











昨晩のサクラの予言どおり、本部へ立ち寄った帰りにナルトとキバとシカマルに出会った。出会ったというよりも、待ち伏せをされていた。
万が一逃げるようなことがあれば―――――キバの嗅覚による探索と、シカマルの捕縛用の影縛りと、ナルトの力技という無駄な労力を費やすこと必須だ。
ゆえに、“逃げる“という選択肢は削がれることになり、いつも仲間内で使う居酒屋へと連行される運びとなった。
サクラが言うような誕生日だからといった理由は、すでに念頭になかったのだが。
おめでとう! というナルトのバカでかい号令と共にビールジョッキをガッチリと重ね合わせ、アルコールを消費する。
一杯目を飲みきったところで、冒頭のナルトのセリフだ。
「こないだクスリを盛り間違えたオレも悪い! が! 明らか様子のおかしいサクラちゃんを・・・サスケェ・・・!」
すでに何を言っているのか判らない。
「なんだよ、クスリって」
キバが面白半分に身を乗り出した。
「奥手でいつまでたっても男になりきれねぇサスケのために! こないだサイが砂隠れで手に入れたって言う媚薬をサスケに飲ませて男にしてやろうとだな!」
鼻の下を啜って得意げに言ってのけるナルトに、シカマルは頬を引き攣らせた。
「だけどな・・・サクラちゃんだってきっと絶対初めてだったんだぞ?!」
「すげぇプライバシーオープンな話だな」
キバの突っ込みに、シカマルは関わるものかと踏んだように次なるアルコールを注文した。
「サクラちゃんはあんだけ清楚で可愛いけど、なんでかサスケにぞっこんだからな! サスケだってサクラちゃん意識しまくってるってのに、二人して奥手でジリジリしてっから・・・」
「・・・奥手って・・・そんな、今更だろ?」
キバも乗ってくるかと思いきや、不可思議に首を傾げる。
なぁ、とキバは隣りに座るサスケに同意を求めるが、サスケはビールを煽ることで黙秘した。
「しかもサクラが初めてって、処女ってことか?」
「そう! そんなサクラちゃんのジョッキにオレってば間違ってクスリを・・・!」
ガツンと机が割れるんじゃないかと思わんばかりの勢いでナルトが机に臥せる。
それを予想した周りの3人は、自身が手をつけているジョッキと料理を手に持って回避した。
「いや・・・なんか以外っつーか・・・」
キバは首を傾げながら言葉を選ぶ。
キバの様子に伏せていたナルトがみっともなく口をへの字に曲げたまま面を上げると、気を遣うということではなく、こういうのを何と言ったっけ、と脳内メモリの少ないスキル総出で考えあぐねる。



「サスケって何気に一途なんだなって話」



キバの投下にその場が一瞬静まり返る。
あ? とサスケは聞き捨てならないと耳を傾けた。
「いや、てっきり女遊び激しいんだろうなって勝手に思ってたけど、サクラ以外女の匂いさせねぇしさ」
勝手にプレイボーイ判断してごめんな! とキバは手のひらでサスケの肩をたたいた。アルコールが入っているため、多少なりとも力の加減ができていない。
揺さぶられるほどに肩を叩かれ、サスケは心底迷惑そうに眉間に皺を寄せた。
放って置いて欲しいんだろうな、とシカマルは認識したが、助け舟を出す面倒くささに負けて結局アルコールを消化するに至った。
ナルトは瞬く。
「え・・・えっと・・・それってどういう・・・?」
「どうもこうもねぇだろ」
キバは得意げに顎を上げる。まるで明日の天気予報を述べるように口を開いた。
「サスケからはサクラの匂いしかしねぇって話」
なぁ? とシカマルに同意を求めたが、知らねぇよとシカマルは肩を竦めた。そんなシカマルに構わず、キバはサスケに向き直って注目と言うように人差し指を立てた。
「でも、まだサクラも火影付から引退する予定ないなら避妊はした方がいいんじゃねぇの。こないだ避妊しなかったろ、サクラからサスケの匂い、抜けてなかったぜ!」






居酒屋に激震が走るまであと5秒。









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